音黒
涼輔:大きなプールだねー。 ほら春美、早く来なよ。
春美:・・・なにこれ・・・
涼輔:え?何って・・・温水プールだよ。
春美:え?「おんすい」って読むの?
涼輔:は?なんだと思ってたの?
春美:「ぬくみず」プールだと思って期待してたのに・・・
涼輔:そんな気持ち悪いプールに期待してたの?
春美:そりゃ期待するよー。なんたって芸能人だよ?
涼輔:僕はやだな・・・温水さんがびっちり詰まったプールなんて・・・
春美:は?涼ちゃん、どんな想像してんのさ。
涼輔:え?ぬくみずプールってそういう意味じゃないの?
春美:そんなわけないじゃん。 何さ、温水さんがびっちりと詰まったプールって。
涼輔:じゃあどんなプールなのさ。
春美:温水さんが壁とか床のコンクリ代わりにびっちりと使われてるプールだよ。
涼輔:あー・・・そっちのほうが気持ち悪いね。
春美:そう?
涼輔:うん。まあとりあえず泳ごっか。
春美:え?泳ぐの?
涼輔:え?当たり前じゃん。プール来たんだから。
春美:ぬくみずプールだと思ってたから水着持ってきてないよ。
涼輔:ぬくみずプールだとしても、普通プール行くって言ったら泳ぐ準備してくるでしょ?
春美:だって、そんな気持ち悪いプールで泳ぎたくないもん。
涼輔:やっぱり気持ち悪いって思ってんじゃん。
春美:で、水着どうしよう。
涼輔:売店に売ってるんじゃない?
春美:ぬくみずプールだと思ってたからお金持ってきてないよ。
涼輔:ぬくみずプールだと思っててもお金は持ってこようよ。
春美:どうしよう・・・
涼輔:しょうがないから貸してあげるよ。
春美:いや・・・いくら友達でも水着借りるのはちょっと・・・
涼輔:違う。お金貸すって言ってんの。
春美:ああ、びっくりした。お金ね。
涼輔:それくらいわかってよ。
春美:じゃあ買って来るね。
涼輔:行ってらっしゃい。
(数分後)
春美:ただいまー。
涼輔:お帰り・・・ちょっと、何で競技用買ってくるかなぁ・・・?
春美:え?
涼輔:いや、普通遊びに来たならトランクスタイプのやつ買って来ない? なんでよりによってブーメランパンツ?
春美:え?水着にタイプがあるの!?
涼輔:・・・・・まあいいや。泳ごうか。
春美:うん。
(更衣室にて)
春美:よかった、水着ピッタリ。
涼輔:いや・・・うん・・・。
ピッタリってか・・・ピッチピチだね・・・
春美:それにしても、ボク、こういう室内のプールに来るの初めてだよ。
涼輔:そうなの?まあ温水プールをぬくみずプールって読むくらいだからしょうがないか。
春美:日焼け止めって要る?
涼輔:ちょっと考えればわかることを聞かないでよ。
春美:ちょっと考えたらわかる?
涼輔:わかるよ。
春美:ん〜・・・・・・・・・・・・・・・・わかんない。
涼輔:春美に考えるのを求めたのは悪かったよ。室内だから要らない。
春美:へー。
涼輔:よし、じゃあ着替え終わったから行こっか。
春美:うん。
(更衣室を出て)
涼輔:入る前にここでシャワー浴びるんだよ。
春美:そうなんだ。あ、シャンプー忘れた。
涼輔:あ、そんな本格的に浴びろとは言ってないから。 ざっと体ぬらす程度でいいんだよ。
春美:あ、そうなの?
涼輔:・・・体育とかで水泳やったことないの?
春美:あるよ。それがどうかしたの?
涼輔:体育のときシャワー浴びなかった?
春美:あー、あの要領で浴びるの?
涼輔:そうそう。
春美:わかった。南無妙法蓮華経・・・
涼輔:学校のプールでそれやってたの?
春美:うん。
涼輔:今考えると恥ずかしくない?
春美:いや、あんまり。
涼輔:あ、そう。子供らしさが残ってるのは悪いことではないからいいけどさ。
春美:悪いことじゃないの?わかった、南無妙法蓮華経・・・
涼輔:やれとは言ってない。僕が恥ずかしいからやめて。
春美:で、シャワー浴びたらどうするの?
涼輔:そしたらもうプール入れるよ。
春美:ついに入れるんだね。ここまで長かった・・・
涼輔:誰かさんのせいでね。
春美:じゃあ早く行こうよ。涼ちゃん。
涼輔:だね。
(プールサイドにて)
春美:おっきいプールだね。これ。
涼輔:流れるプールだよ。
春美:流れるプール?
涼輔:水が流れてるんだよ。
春美:へー。なんか、洪水のときのドブみたいだね。
涼輔:うん、他にたとえよう無かったの?
春美:早く入ろうよ、楽しそう。
涼輔:じゃあ入るか。
二人:せーの、
(ただいまより、10分間の休憩に入ります)
二人:・・・・・
(数時間後)
春美:楽しかったねー。
涼輔:うん。また来よっか。
春美:うん、また来たい。
涼輔:あ、その前に今日貸したの返してね。
春美:ん、わかった。
(後日)
春美:はい。
涼輔:いや、水着じゃなくてお金返してよ。
夏草 > そろそろ次いきます。2組目は・・・・・
薬罐部!!
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